DaniのKBB Baja Prog日記
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出発日3/2
(日本)
到着日3/2
(現地1日目)
3/3
(現地2日目)
3/4
(現地3日目)
3/5
(本番日)
3/6
(現地5日目)
3/7
(現地出発日)
3/8
(帰着)


3/5(現地4日目・本番日)

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10:00 集合・朝食

さあ、とうとう今日は本番日。
たっぷり食べて体力つけなくては!

とはいえ、ホテルの同じ朝食ビュッフェが3日目、そしていつも用意されているメニューはほぼ同じなので
みんなちょっと飽きている。
と思ったら、昨日まで無かったハンバーグらしき食べ物を発見。
普段はビュッフェで喜んでハンバーグをとるわけでもないのだが、
さすがにどんなものでもいいから「昨日と違うものだ!」でみんなお皿に取ってくる。

それで、結果は・・・いやはや、ハンバーグでした。ごく普通の。
まあ、味はお弁当用の冷凍ハンバーグみたいな感じでしたが・・・ううみゅ。

さて、そんなこんなで昨日、おとといとほぼ変わらない朝食を食べ、
食後にジュースでも、と思うと増田さんが奇妙な色のジュースを飲んでいたので
興味本位で同じものを取りに行った。

結果・・・キウイジュース。生搾り100%!
お味は・・・まずい!(笑)。
キウイって絞っただけだとウマくないのね。
圧倒的に酸味と甘みが不足していて、しかも水っぽい。
コリャいけてないわ。
ライムを絞って、ちょっと砂糖を入れるときっとかなりウマいと思うけど。

さてさて、食事も終わって、各自ライブに向けて楽器などの準備をする。
本当はホール会場では13:00からKBBリハの予定なのだが、
案の定、他の2バンドのリハが押しているとの情報でちょっと遅めに集合。

13:30 いざ出陣



さあ、皆さんはりきって参りましょ〜!

と思ったのだが会場に行く車が手配できずに結局ホテルを出たのは14:00過ぎだったのだけれど・・・。

14:30 会場到着


さあさあ、会場についたは良いが、まだ前のバンドがリハをしている。
これぞメキシコ時間?ラテン時間?
なので、とりあえず楽屋待機。

TsuboyさんはMCの練習をしている。
そうそう、楽屋にはこんなものが。

ピラミッド・・・型の紙コップ!?
これじゃ飲み物注いでも置けないじゃん!!って、それがねらいなのかな?
使い捨てにせざるを得ない紙コップですが、飲みかけのをこぼして、ベトベトになったりする事故は防げるかも。
なるほどね〜。

しかし、なかなか前のDEUS EX MACHINA(from Itary)のリハが終わらない。。。

まだかのぅ〜?

と言うわけで、

Tsuboyさんは本番収録用のビデオカメラのセットをしてみたり、

HITOSHIさんはなぜか子供用のイスに座って本番で使うシンセ音色のエディットをしている。
いつリハに取りかかれるかがわからない状態なので、なんとなく落ち着かないKBBメンバー達。

さて、そんなこんなしているウチに、やっとこさDEUS EX MACHINAのリハが終わり、
KBBのリハの時間がやってきた!

16:00 KBBリハーサル


さて、ステージに行ってセッティング、と思ったら、翌日演奏する予定の
ARTI E MESTIERIのメンバーがちょうど来てて、機材のチェックなどをこの合間にしたいと言うことで、
こちらのセッティングと並行して行うことに。
僕は当然、セッティングしながら、ARTIのベーシストさん(Roberto Casseta氏)はベースアンプのチェックをしている。
彼は10分ほど色々と音出しをして、翌日のために、きちんとベースアンプのセッティングを細かくメモしていった。
その間中、僕の方に、「もう5分だけいいかな?すぐ終わるからね。」と笑顔で気にかけてくれて、
すごく優しそうな人でした。

さて、そんなこんなしている時に、Tsuboyさんは
ARTIのバイオリニストGiovanni Vigliarさんとバイオリン談義。

お互いのエフェクターやバイオリン(GiovannniさんのはZETA製みたいかな?)について、
色々と国際交流。
世界的に見てもElectric Violinのプレイヤー人口も少ない様なので、
こういった機会はお互いとても興味深い様子。
(最近でこそ、YAMAHAがサイレントバイオリンを商品化してからだいぶ広まりましたが、
 それでもEelectric guitarの数からすれば100分の1以下でしょうね。。。)

TsuboyさんのE.バイオリンは日本のバイオリンビルダーによる、オーダーメイドの一点もの。
というわけでGiovannniさんも興味津々で、是非弾かせてくれ、と言うことになったようで試し弾き。
彼は5弦を弾いたことが無いようで、いろいろと感心しながら試していた。
こんな交流が出来るのもBaja Progみたいなイベントならではかも。

さてさて、ここで、Baja Prog仕様のKBB機材を紹介しましょう。。
海外仕様と言うことで(飛行機に乗るという事情が大変でね〜)、色々工夫の結果の機材事情。

まずはTsuboyさん。

いつもよりはるかにシンプルなセット。
DigitechのGENEXに、BOSSのディレイサンプラー、フットスイッチぐらい、というシンプルなもの。
普段のKBBのライブでは弦切れ時用の予備のバイオリンも用意しているが、
さすがにそれも無し。
特別なものと言えば、100V〜250Vを100Vに変換できるAC-ACアダプターぐらい(写真右側の白と紫の物体)。
本来、メキシコの電源は110 or 120Vなのだが、
この日は他の2バンドがヨーロッパ系だったこともあり、なぜかステージスタッフが
220Vの電源を持ってきてくれて、「???」となったのだが、このアダプターを使って
難なくそのまま使っていた。

そしてHITOSHIさん。

いやはや、これぞプログレと言わんばかりの四方固めのセッティング。
機材はほぼ全て現地で用意してもらったのだが、プログレイベントならではの充実度です。
左側(こっちが客席側)
 下段:Roland A-90EX(主にピアノ音色) 上段:KORG TRITON(主にパッド系のシンセ音色)
中央
 下段:Rhodes 73Key(モデルはなんだっけ?Suitcaseに見えたけど。) 上段:Moog  Voyager
右側
 下段:HAMMOND B3(ホンモノ!) 上段:KORG 01WPRO/FD(マスターとして使用)→Novation  NOVA(音源)
手前側
 レスリースピーカー(122か147かは忘れた・・・)

という本物志向の贅沢セット。
しかも、Moog Voyagerは

Bob Moog氏のサイン入り特別モデル。。。
いやはや、いいですなぁ。

これだけ十分用意されていて、トラブルも特になかったので、
おととい用意した「イザって時のPowerBook/iBookG4のソフトシンセ作戦」は使用せずに済んだ。
良かった良かった。

さて、次に私。

いやはやシンプル。
右側にKORG Ampworks Bass。
上側はチューナー、フットスイッチの2つは、Ampworksの音色切り替えと、チューナー時のミュート用。
音色も、バイパスと、歪み、ディレイの3種類だけ。
「私になってからのKBBのベースって実はこの3つだけです」なんて感じです。
(その分指のニュアンスは大変なんですが・・・)

海外仕様として特筆すべき事は、これら全てが単3 or  単4の電池で動くこと。
どんな国に行っても電池さえ持っていけばOK、と言うところが無敵。

そして菅野さん。

菅野さん自身の持ち込みはSnareとスティック類のみ。
菅野さんにとってかなりこだわりのあるライドシンバルを荷物の都合上もって来れなかったのは
悔いが残る部分もあったようですが(なにせ用意されていたライドがちょっと分厚すぎる、日本では良く
練習用スタジオに置いてある、耐久性重視!みたいなライドしかなかったので)、
他の機材は大満足な様子。
セットは基本的にDWのセット。ペダルもDWのペダル(出発最後まで自分のペダルを持っていくか悩んでいたが、
直前にDWのペダルを試してみたらすごく良かったらしく、持参せずに現地のを使う事に)。
シンバルはZildjianやSabianなど。
タムの並びが、12"→10"→14"→16”と不規則なところが菅野さんっぽいところかも。
(Catastropheなど、いくつかの曲で、ライドパターン的な右手のパターンを
 小口径のタムで表現するところが菅野さん独自のプレイスタイルで、KBBのサウンドの独自性を
 いっそう高めていると思われる)

そうそう、サウンドチェックの時に思ったのが、今回のメキシコPAさんは
ドラムの音作りがいわゆる日本式なこと(これが日本独自なのか元々判りませんけどね)。
今まで僕も数多くの海外から来たミュージシャンや、PAさんも、
仕事柄色々見ていたが、ドラムをパーツごとにたたいてもらって入念なサウンドチェックって、
あまり海外の人がやっているのを見たことが無く、日本独自の文化だと思っていたのね。
(日本のPAさんはほとんどこのスタイル。)
だから、今回も、きっと、サウンドチェックは「ドラムのパーツごとに」とかはやらないはず、
と決めつけていたのですが、なんと、「まずはキックから→スネア→タムを一つ一つ→シンバル→全体」
と言う順で細かくチェックしたことにちょっとびっくりしました。

ちなみに、僕自身もPAを仕事としていますが、上記の様なサウンドチェックは通常は行いません。
いきなり、「いろいろ全体で叩いて下さい!」というオーダーを出して、
それを聞きながら、素早くセッティングを決めて音作りする手法です。
(コレは、丁寧かどうかの差ではなく、PAオペレーターとしてのスタイルの違いです。
 僕は、一個一個をチェックしていっても、時間もかかるし、ドラマーが本来、普段のプレイで叩くバランスとは
 違って聞こえる事が多いので、ハジメから全体のドラムセットを叩いてもらって、その中でバランスを見る手法を使っています。
 上記で言えば、いわゆる「外国流」なのかな?もちろん、個々の音質に問題がある場合は個々に追求してチェックします。)


さて、そんなこんなで、サウンドチェックも終わり、
曲をやりながらいろいろとリハーサル。

今まで、実はKBBは今までライブハウス系の小さな会場でしか演奏していないと言うことで、

(それぞれのメンバーは当然、いろんな大会場ので演奏経験はあるんですが・・・)

1000人規模の会場では、特にドラムの生音があまり聞こえてこないのが大きく違うところ。

全体の演奏の半分近くは即興的な部分もあり、細かいプレイニュアンスが、
いろんな部分で曲の進行や合図として機能しているKBBの楽曲としては、
その会場によってのモニター環境の差はかなり演奏に影響を及ぼすので、
入念にチェックしていく。

ちなみに、モニターの音量を大きくしてもらいたいときに使う英語は、
Big/SmallやLarge/Littleではありません。More/Lessです。
自分が例えばもっとキーボードを聞きたい場合には、モニターエンジニアに向かって、
「More Keyboards!」と言えば通じます。
それよりも、手でジェスチャーした方がもっと通じますけど(万国共通ですね!)。

そんなこんなで、かなり満足なリハをさせてもらいました。
KBBメンバーにとっては、出国前から数日間、ろくに楽器をさわる時間もなかったので、
非常に嬉しいリハとなりました。

17:40 リハ終了


さて、リハが終わると、外にはきれいなお月様。

って、ウチのリハの時のにもステージ後ろのドアは開けっ放し。
いくら周囲にはあまり何もない郊外の土地とは言え、開けっ放しで良いのだろうか???

さて、本番は19:00からなので、そんなに言うほどは時間はない。
楽屋に戻ると、

ピザが届いていた。
デカイよ!すごいよ!ちなみにこれが2枚届いている。
1枚のでかさが半端じゃない。
いわゆる、日本のデリバリーピザのLサイズよりも、2割ぐらい大きいかなぁ?
まあ、そんな感じで、本番前に若干の腹ごしらえをして(もちろん食べきれないので各自ちょっとずつ食べて)、
スタンバイをする。

そんな中、HITOSHIさんはリハで納得いかないフレーズを研究中?

ヤマハのミニ鍵盤がこんな時に大活躍。えらいなあ、HITOSHIさん。


と言うわけで、18:00過ぎに開場し、ちょっとのんびりしていると、
なんと、菅野さんのお母さんとその親戚の方々が訪ねてきてくれた!

何でも、お母さんはここに僕たちが通ってきたSan Diegoに住んでいるらしい!
なので、そこの親戚の方々と一緒にライブを見に来てくれたのだとか!
メンバー一同、お母さんの若さとパワーにびっくり。

こんな写真でも、お母さんと菅野さん、似てますね(笑)。

さあさあ、そんなコトしているウチにあっという間に本番。
(以下、KBB本番中の写真はBaja Prog Staffによるものです。他の写真は私です。)

本番開始直前、今回はTsuboyさんのViolinSoloからということで、緞帳の閉まったステージで
一人佇むTsuboyさん。
さすがに結構緊張していた様子だが、なぜか「たどたどしい」日本語のバンド紹介が場内アナウンスで聞こえてきて、
一気に緊張が和んでしまう。その絶妙な間と、慣れてない感じが非常によろしい・・・。

そんなこんなで本番開始。
いやはや、十分楽しんだステージでした。

ハジメはちょっと堅いかも?と思ったのだが、もうこれだけ大きな会場になると
逆にそんなに緊張もせず、メンバー同士の息も十分で、良い演奏が続く。
何よりも、お客さんの反応が信じられないぐらいによい!
一曲終わるたびに、素直な「良い?悪い」の間奏が口笛とざわめきで一斉に返ってくる。
そこには変なひいきとか、そんなものはいっさい無く、「良ければ良い!」という世界。
これはオモシロイ!日本のライブとは信じられないぐらい違う反応に、
メンバー全員ハジメはちょっととまどうも、前日の予習の成果もあってか、
だんだん気持ちよくなっていき、どんどん演奏のボルテージは上がっていく。

そして、がんがん演奏していって、いよいよクライマックスに!

ところが、もう時間の都合もあってKBBの最後の曲となった「果てなき衝動」で、
TsuboyさんのViolinの弦が切れた。
ちょうど中間部、Tsuboyさんのソロのちょっと前の時点だったので、
その間を私のBass Solo、菅野さんのDrums SoloやHITOSHIさんのKey Soloでつないでいる間に、
なんとTsuboyさんはその場で弦交換!

このパフォーマンスが異様に受け(弦交換が終わったとたんに、Tsuboyさんは立ち上がってガッツポーズをとって、
それに観客も反応してもう大騒ぎ状態!)、最後の曲としてもこの後はすごい盛り上がり!

いやはや、演奏が終わっても興奮は収まらず、
ついつい、恥ずかしながらも

こんなことをしてしまうようなノリでした。
(いやぁ〜、楽しかった!)

本番はハプニングもあったけど、それを逆に吉としての大成功!
海外公演、というか、こんなに反応の良い観客を前に演奏する喜び、というのを初体験して、
あまりにダイレクトな反応に、とても興奮状態のKBBメンバーでした!
(日本のお客さんはライブ本番では黄色い声こそ飛ばないけれど、
 ライブのアンケートを見るたびに、真剣なご意見が書いてあってうれしかったりもします。
 ライブの楽しみ方には国民性、というか文化の違いがあって興味深いですね)

楽屋に戻って、みんなで「お疲れさま〜!」と言うことで、
MEXICALIビールで乾杯。ちょっと一息ついてると、次のバンドが始まったようだ。

21:00 2バンド目 DEUS EX MACHINA


イタリアからやってきた強者バンド。複雑な曲を、
なんだかバカ騒ぎのように力強く演奏するバンド。
しかし、何を食べたらこういう演奏になるんだろうね?やっぱ肉?って印象。

Tsuboyさんは、(本来いるはずの」バイオリンが来ていなかったので、
ちょっと不満げな感じでした。

僕は、「どう見てもこの人達は普段着だよな。。。」などと思いながら観戦。


さてさて、このバンドが終わって、次のバンドまでのインターバルが30分ほどあるのだが、
この時間がKBBの大切な宣伝のお時間。。。
演奏を見てもらったお客さんが1000人ぐらい、会場内にいるわけで、
あわててCD販売ブースに向かったのだが、
菅野さん、HITOSHIさん、僕はブースにたどり着いたものの、
Tsuboyさんがたどり着けず、ロビーにてサイン責めにあってしまう。
Photo By BajaProg Staff


ブースの方では3人でサインと握手責め。
お客さんのほとんどは、
「あともう一人、バイオリンの人はどこに行ったの?」
と聞いてくるから、「ロビーにいるよ」と言うと、サイン帳を完成させるのに、Tsuboyさんの方へ向かっていく。
そして、ロビーでTsuboyさんのサインをもらったお客さんは逆に、こっちに残りのメンバーのサインを
もらいに来るという状態が続き、
たった10mぐらいの距離なのに、20分ぐらいかかってやっとTsuboyさん到着。
狭い販売ブースはさらに人でごった返す。
いやはや大変だ。

少しすると、やっと今日のトリ、SOFT WORKSが始まって、
嵐のようなインターバルも終了。

22:30 SOFT WORKS

往年のJAZZ PROGを築き上げたベテランミュージシャン達。
さすがに堂々としてます。
ステージパスを持っているのを良いことに、
ウチらはステージ脇から観戦。
アラン・ホールズワースはYAMAHAのDG-STOMPを使っているのは有名ですが、
どんな風に使っているんだろう?と思ったら、
自分の横に積み上げて、ペタペタと手で押していました。あれれ。

24:30 本日のライブ終了


そして、このバンドが終わってからも、当然ロビーと売り場では
またサイン責めと握手大会・・・。

そして、ウチらには大事なことが一つ!
なんと、昨日の時点で、買い出ししてきたビールをほとんど飲み尽くしてしまっていて、
ホテルに帰ってからの乾杯ビールが無かったのだ。
HITOSHIさんと私がいたのになんて事だ(注:この2人がいたから無くなったという噂も)!
というわけで、MEXICALIビールのフェルナンドに、ビールを分けてもらい、ホテルに戻ることに。

ホテルに戻るときに、僕と増田さん、そして別のメンバー、という形で車に分乗して戻ったのですが、
僕は、
 「HITOSHIさんのことだ、きっとどこかに寄り道してお酒を買い足してくるだろう」
と増田さんと話していたのですが、
HITOSHIさん達は、
「きっとDaniの事だからどこかで酒買ってくるはず」
とお互いに思っていたらしく、結局どちらも買いそびれたみたい。

ホテルに戻って、MEXICALIビールで乾杯!しながら、
早速Tsuboyさんの撮ったビデオを見て反省会。

このとき、一昨日おみやげ用に買ったテキーラも飲んでしまいましたとさ。あらら。

ビデオを見終わったらもう夜中3時。
とても内容の濃い一日でした。さあ寝よう。

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